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マレーシア

マレーシアの移転価格税制

移転価格文書化支援を行っている押方移転価格会計事務所の公式サイトで紹介されている2021年8月27日付けの記事「マレーシアの移転価格税制」に関する情報を参照させていただきポイントをまとめています。

対象となる国外関連取引

マレーシアで移転価格税制の適用対象となるのは、国内取引を含めて実質的または形式的な支配関係がある企業間の取引。支配関係にあるとされるケースの例としては、持ち分の過半数を有する場合などが挙げられます。

移転価格の算定方法

以下の3法の適用が優先されます。

これらが適用できない場合には、取引単位利益法(営業利益法、利益分割法)を適用し、さらにこれらの方法が適切でない場合には、他の方法も容認される可能性があります。

文書化義務

移転価格文書作成期限は毎年の確定申告期限まで。マレーシア税務当局からの要請があった場合は14日以内に提出しなければなりません。ただし、文書化義務が免除されるケースがあり、以下の場合となっています。

国別報告書の提出が義務付けられていているのは、多国籍企業グループの最終親会社で前年度の連結総収入が30億リンギット超の場合。提出期限は会計年度終了から12ヶ月以内、外国親会社をもつマレーシア子会社にも適用されます。
国別報告書の作成義務がある場合、マスターファイルの作成義務もあり、当局から要請があった場合は移転価格文書と一緒に提出する必要があります。親会社がマスターファイルを作成している場合、子会社は移転価格文書と一緒にマスターファイルのコピーを提出する必要があります。

ペナルティ

マレーシアでは移転価格税制に関するペナルティとして、最高で移転価格更正額の5%が課されます。なお、移転価格文書の提出期限を守らなかった場合、ペナルティは2万~10万リンギットとなります。

参照元:押方移転価格会計事務所公式HP(https://www.oshikata-tp.com/information/world/tp-taxtion-in-malaysia/

マレーシアの移転価格税制整備・執行状況

移転価格や国際税務コンサルティングを手掛けるコスモス国際マネジメントの公式HPに「2021年4月:アジア各国の移転価格税制整備・執行状況(続)」というコンテンツがあり、マレーシアに関する内容を要約します。

参照元:コスモス国際マネジメント公式HP(http://www.cosmos-international.co.jp/?p=1960

マレーシアの移転価格に関するNews&トピックス

移転価格文書規定をアップデート

2020年12月に公布・2021年1月1日から施行された財政法において、移転価格コンプライアンスの施行強化を目的とした新しい規定が追加。さらに、内国歳入庁は、移転価格ガイドラインにおいて移転価格文書の提出期限の改正も行なっています。

これまでは移転価格文書の提出期限は30日となっていましたが、改正によってマレーシア税務当局から提出要求があった場合は14日以内と提出期限が短縮。さらに、通知された期限内に提出されなかった場合に課されるペナルティも以前より厳しいものになっています。

参照元:AGS税理士法人(https://www.agsc.co.jp/cms/wp-content/uploads/2021/04/3a2a00e205b86d874fac71a1c0139877.pdf

新型コロナウイルス感染症による移転価格税制の変化

新型コロナウイルス感染症により税収に影響を受けていることから、税収予算を達成するための積極的な税務調査・課税が行なわれています。また、2021年1月1日から移転価格文書を期限までに提出しなかった場合の罰則が強化されているほか、移転価格調整額に対するサーチャージが導入されたことを受け、税務当局は納税者に対して移転価格文書の提出要請通知を積極的に送付。税務当局の移転価格専門支局だけでなく、査察担当支局や地方支局も移転価格文書の提出要請通知を送付し、移転価格調査を行っています。

APA審査については、新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けていない企業に限り、新規APA申請を行うことが可能。申請済みのAPAについては、納税者のみの判断による大きな変更は認められていません。合意済みのAPAに関しては、新型コロナウイルス感染症の影響で重要な前提条件の充足が困難になった場合、APAの改訂や取り消しを可能としています。

参照元:経済産業省(https://www.meti.go.jp/policy/external_economy/toshi/kokusaisozei/itaxseminar2021/11_malaysia.pdf

他のアジア各国・主要国の移転価格税制はこちら

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