多国籍企業にとって、移転価格税制の対象となる国外関連取引の中でも無形資産取引と役務の提供の2つは対象範囲が広い上に扱いが難しいため、特に注意しなければならないポイントといえます。
そこで、無形資産取引と役務の提供の概要及び両者の違い、扱いの注意点をわかりやすく整理してみましょう。
無形資産の定義は、法人の所有資産の中で有形資産と金融資産を除く資産のこと。グループ企業間における国外関連取引に無形資産が含まれると、移転価格税制の対象となるわけです。
では、カタチのない資産とは具体的に何を指すのか、押方移転価格会計事務所の公式HPにある租税特別措置法関係通達66条の記載を引用しておきます。
参照元:押方移転価格会計事務所公式HP(https://www.oshikata-tp.com/information/pickup/intangible-assets/)
役務提供はサービスを提供すること。国内親会社と海外子会社との関係でいえば、親会社スタッフによる現地スタッフの技術指導などが代表的な役務提供となります。
無形資産と役務提供は区別されるべきものではありますが、現場の実務において区別がしにくい面があるのも事実。例えば、技術指導としてエンジニアが現地設備のセットアップをした場合、役務の提供となるところ、現地スタッフがセットアップできるように指導したとすると、ノウハウの提供・技術の移転として、無形資産の取引に分類されるケースもあります。
無形資産について注意すべき点は、比較対象企業の選定と使用料の料率設定の2つ。
国外関連取引の比較対象企業を選定する際、国外関連者が無形資産を有しているかいないかによって、比較対象企業も同条件にしなければなりません。
無形資産の使用料=ロイヤリティ料率の設定は独立企業間価格としますが、無形資産は比較可能性の高い取引が見つけにくい傾向もあり、算定方法の検討では専門コンサルに相談するといいでしょう。
役務の提供で注意すべき点は、無形資産や有形資産の譲渡などが含まれているかどうか。含まれている場合、適切な対価の受け取っていなければなりません。
移転価格税制に関するコンサルティングサービスの一環として、無形資産や役務提供の扱いについてもサポートしてくれるコンサルがあります。
デロイトトーマツの場合、移転価格のリスク分析と同様に無形資産や役務提供についても情報収集や検証、分析して更生リスクを評価。無形資産や役務提供の対価性はどうなのか、対価は回収すべきものかなどを判断できるようサポートしてくれます。
押方移転価格会計事務所では、移転価格税制に関するコンサルティング項目の中に「無形資産の有無、取り扱いの判定」「ロイヤリティの適正性の検証」があり、標準サービスとしてカバーしていることがわかります。
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