マスターファイルと呼ばれるのは事業概況報告事項。報告しなければならないのは、特定多国籍企業グループの組織構造や事業の概要、財務状況といった情報で、もともとはOECD移転価格ガイドライン第5章にマスターファイルに関連するルールが文書化されていて、日本でも平成28年度(2016年度)に行われた税制改正によって、マスターファイルの提出義務が適用されるようになりました。
マスターファイルの提出義務者となるのは、「特定多国籍企業グループの構成会社等である内国法人又は恒久的施設を有する外国法人」。グループ企業は一般的に最終親会社一社がグループを代表して提供します。
同時に、提供義務の免除が規定されていて「直前の最終親会計年度の連結総収入金額が1,000億円未満の多国籍企業グループ〔国別報告事項と同じ〕」に該当する場合は、結果的にマスターファイルの提出義務はありません。ただし、この免除規定は日本の税務上のものであり、海外では免除はあっても基準が違うことで提供義務が免除されないケースもあるので注意しましょう。
国税庁の公表資料「移転価格税制に係る文書化制度に関する改正のあらまし」の中に「事業概況報告事項の各項目」があり、措規第22条の10の5第1項(抄)の1号から13号までが列記されています。これらを整理すると、主に以下の5項目が記載内容となります。
参照元:【PDF】国税庁公式HP「移転価格税制に係る文書化制度に関する改正のあらまし」
(https://www.nta.go.jp/publication/pamph/pdf/h28iten-kakaku.pdf)
マスターファイルの提出期限は、提出義務者となる最終親会社の会計年度終了の翌日から一年以内となっています。
使用言語は日本語または英語。e-Tax(国税電子申告・納税システム)を利用して、所轄税務署長に提供する必要があります。
提出しなかった場合の罰則は、措法第66条の4の5第3項で定められていて、正当な理由がなく期限内に提供しないと30万円以下の罰金が科されます。
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